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2018年8月10日 (金)

内田洋子著『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』を読む

内田さんの作品は大分以前から注目していて何冊も読んでいるが、関心がいまイタリアから別のほうに移っていて、しばらくご無沙汰していた。オカさんが面白かったとわざわざ電話で知らせてくれたので、えっ、本の行商の話なの、面白そう、と、さっそく読んだ。

ヴェネチアの古書店で聞いた話に著者の心が動き、老店主の「行ってみることですね」で、好奇心は全開、トスカーナ州の小さな山村モンテレッジォに赴く。そこの村人は、代々イタリア中に本を届ける職人だった。なぜ? 小さな村と本が結びつかない。取材を重ねるうちに見えてくる本の行商の歴史、次々と広がっていく登場人物。まるで謎解きの推理小説のような面白さがある。登場する人たちはみな控えめながら確固たる信念と哲学を持つ人たちばかりだ。

じつはこのモンテレッジォのことはイタリアでもあまり知られていないらしく、そこに光を当て、膨大な資料と取り組み、現地で取材を重ねて記録した著者のねばり強さには脱帽あるのみ。貴重な記録文学である。間に散りばめられた写真も想像力を掻き立ててくれる。

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