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2018年5月 7日 (月)

2018 荷風忌

430日、110分前に浄閑寺に着いたら、すでに50人ほどの列ができていた。法要のあとの今年の講演は川本三郎氏なので、「来る人が多いと思って早めに来たけれど・・・」と私の後ろについた着物の美しい女性。演題が「荷風の描いた老人」ということもあってか、200名ほどの参加者は私を含め年配者がほとんど。

荷風の小説には荷風が理想とする隠遁生活の老人がよく登場する。「近代の作家でこれだけ老人を描いた作家は珍しい。なぜ荷風は老人・老いに惹かれたのか」川本氏はその理由として、文人趣味とか世捨て人志向とかいくつか上げられたが、もうひとつ「自らを老いに見立てることで世の中とのかかわりを避けてゆく方法としての老い」ではないかと。この観点に大いに納得した。

そして最後に付け加えたのが荷風文学の特色としての悲哀の中の美しさについて、『雪の日』の最後の一節を引用された。「生きてゐる中、わたくしの身に懐しかつたものはさびしさであつた。さびしさの在つたばかりにわたくしの生涯は薄いながらにも色彩があつた。」わたしもこのセンテンスは荷風だからこそ言える表現だと、感じ入っている。

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