台風21号の襲来で…
先週末は式根島ハイクに行く予定だったので、衆議院総選挙も初めて期日前投票を済ませたのだったが、超大型台風21号の列島直撃のため中止に。で、読書と映画でのんびり過ごした。本は川本三郎著『老いの荷風』(白水社)。久しぶりの荷風。これまでに発表したものの寄せ集めなのかなと思ったら、半分は書き下しで、読み応えがあった。『ふらんす物語』発禁本(初版)の行方の話はじつに興味深かった。荷風が戦時中に発表の当てがないのに書き継いでいた作品に焦点を当てて論じたものも新鮮だった。川本氏の荷風は優等生の解釈になりがちだが、いつも気持ちよく安心して読める。とくに散策者としての荷風についてはこの人の右に出る人はいない。
今年は『断腸亭日乗』起筆百年ということで、11月3日から市川市文学ミュージアムで荷風展が開かれるが、楽しみだ。
映画は無料Gyaoで「氷点」を観た。三浦綾子の小説の映画化で、これはたしか朝日新聞の賞金一千万円の懸賞小説の受賞作。監督山本薩夫、出演は若尾文子、船越英二、安田道代、森光子、山本圭、津川雅彦ら。人間の原罪という重いテーマだが、映画はどうしても表面的な説明になってしまう。若尾文子が美しい。森光子の演技が断然うまく光っていた。
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