小川軽舟著『俳句と暮らす』を読む
毎日新聞を購読しているが、毎日俳壇の選者の一人が小川軽舟さんである。俳句欄に目を通すことなど以前はなかったが、五七五日記と称して川柳をはじめてから、気にかけるようになった。毎日俳壇の4人の選者のなかで、軽舟さんのセンスが私にはいちばんピッタリくる。その人が書き下ろした本である(中公新書)。奥付を見ると、軽舟さんは1961年生まれ、現役のサラリーマンでもある。俳句だけの世界の人ではない、そんな雰囲気が選句にも表れているように思え、現代性と親しみを感じている。
「俳句は忘れ去っていく日常の何でもない記憶を蘇らせてくれるものだ。……五七五に限定された言葉が直接指し示すものの情報量はわずかだが、それをきっかけに引き出される記憶の情報量は限りを知らない。」ホントにそう思う。十七音字の不思議な力を実感させてもらいました。軽妙な味わいがあり、読んでいて気持ちの良い本でした。
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