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2017年3月22日 (水)

坪内捻典著『ヒマ道楽』を読む

川柳をはじめてから、俳人・坪内捻典さんの毎日新聞朝刊コラム「季語刻々 今昔」を愛読するようになった。毎日一句を採り上げ、その解釈がなかなかにユニークなのである。『ヒマ道楽』はそのネンテンさんの最新刊。あとがきによると、「ヒマとカタカナで書いているのは、この言葉に肯定的積極的な意味をもたせたいから」とある。新聞のコラム連載「モーロクのススメ」からまとめたもののようだが、飄々としたお人柄がにじみ出ていて、明るくて、ちょうど今ごろの時期の春うららのいい気分になる。

たとえばこんな文章。「定年退職して、ぐずぐずする余裕が十分に与えられる。それって、とてもいいことなのかも。若い時には時間的余裕がないので、ぐずぐずを中途半端にしてしまった。それが私の実感だが、この際、おおいにぐずぐすしてみたい」とか「若い人はいい。しなやかだし、つややかだ。足は速いし、よく食べる。老人もいい。つつましく、どっしりしている。足は遅いし、あまり食べない。若い人も老人もどっちもいいなあ。あっ、もしかしたら、若い人の中には老人がいる? 同じように老人の中には若い人がいる? うん、いるのだ、確かに。すてきな若い人は、自分の中に老人を住まわせている。魅力的な老人は、自分の内に若い人を抱え込んでいる。……」素敵でしょ。

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