「動物集合」展、「茶碗の中の宇宙」展を観る
動物をモチーフとした工芸品を集めた、とてもいい展覧会でした。開館早々だったせいもあって観客は私一人という贅沢。しかも65歳以上は無料。いいな、いいな、と一つひとつの作品をじっくり味わいました。とくに今回の発見は蒔絵の美しさ。蒔絵は機会あるごとに見ているはずですが、漆に金銀を使って装飾した古い技法にあまり魅力を感じませんでした。こちらの年齢のせいもあるのかしら、松田権六をはじめとする蒔絵の飾箱などを今回ほど感心して眺めたのは初めて。
チラシにある大塚茂吉の作品、陶器の猫は、わたしの猫句の最新作「耳を立て尻尾を巻いて聴くバッハ」にぴったりでうれしくなりました。東京国立近代美術館工芸館で。
そしてちょっと歩いて、本命の近美の「茶碗の中の宇宙」展を観たのですが、こちらにはさすがに結構な人だかりが。楽家一子相伝の芸術ということで、16世紀の初代長次郎の作品から現代の吉左衛門までたっぷりの品数。光悦の茶碗を眺めていると、それを愛で、使った人たちのドラマ、息遣いまでが伝わってくるようで、ドキドキします。展示の照明が暗くて目が慣れるまでちょっと時間がかかりました。この展覧会はアメリカ、ロシアで好評を博した凱旋展とか。両展覧会とも5月21日まで。
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