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2016年7月

2016年7月24日 (日)

パルコプロデュース公演「BENT」を観る

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半ばおつき合いの感じで観たのだけれど、そして最初は、ああ、やっぱり新劇調で好きじゃないなと思いながら観ていたのだけれど、次第にぐいぐいと芝居の中に引っ張られていった。胸にドンと響く重いすごい芝居でした。戦争という人間の残虐性がむきだしになったナチの強制収容所で知り合った同性愛者同士の究極の愛、精神愛、人間の尊厳…。休憩のあとの2幕目がよりシンプルで核心に迫る。主演の佐々木蔵之介も北村有起哉も坊主頭で囚人服。石をただ右から左へ、そしてまた左から右へと運ぶだけの意味のない作業を強いられた2人の作業現場。その石を運びながらの会話がいい。作業の休憩時は監視員のいるまっすぐ前方を見て立っていなければならない2人。並んで立つ2人は正面をみながら言葉だけのエアセックスで結ばれる。そして最後は……。

芝居のあと、楽屋で北村有起哉さんにお会いすることができたけど、役作りのために10キロ痩せたとのこと。舞台で使う石は本物なので(本物の音がした)、重いので運ぶのに腰を痛めないように膝をついてから下す工夫をしているなど、体重を減らしたり、坊主頭になったり、役者さんはホントに大変ですね。観客はこまつ座よりも若い人が断然多かったよう。7月20日、世田谷パブリックシアターで。

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2016年7月20日 (水)

2016 日本マイム研究所公演を観る

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演目はカフカの「審判」とシェイクスピアの「マクベス」。「審判」は佐々木博康さんの独演。照明によってパネルに映される主人公の影の動きが主人公の状況心理を巧みに表現していた。プログラムには「現代人の孤独と不安と絶望の形而上学を表した作品」とある。「マクベス」も数枚のパネルをうまく使った演出だったが、ちょっとごたごたした感じになったのが残念。研究員総出の熱演。

佐々木さんはいつだったかご自身を後期高齢者になりました、と笑っておられたが、とてもとてもそうは見えないフォームの美しさ。日ごろの鍛錬のたまものである。難しいものに挑んでいく姿勢もすばらしい。舞踏家・大野一雄のように100歳までも演じていただきたいもの。712日、江戸東京博物館で。

 

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2016年7月18日 (月)

醍醐イサム個展「具光音空光音」

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自由美術協会員の醍醐さんからは個展のたびにご案内をいただくが、その回数の多さにいつも驚いている。たいていは拝見するようにしているが、このところ数回は失礼した。今回は個展初日が新宿での芝居の日だったので、拝見できた。アクリル、墨、水彩などを多用した黒色の世界。作品タイトルで分かったような分からないような。でも見飽きない。五時からのオープニングには時間がなくて出られず、ご本人にもしばらくお会いしていないけど、相変わらず精力的に制作されていて、そのエネルギーがすごいし、うれしいことです。(ギャラリー絵夢 7月24日まで)

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こまつ座「紙屋町さくらホテル」を観る

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いい芝居でした。心に残る芝居でした。何といっても井上ひさしの脚本がぴか一。難しいテーマをやさしく、面白く、笑いに包んで。ひとつひとつの台詞がうわっ、すごい、と思いつつ観た。原爆投下3か月前の広島での移動演劇隊「さくら隊」のお話。国策として組織された寄せ集め団員「さくら隊」の演技指導をするのは築地小劇場の丸山貞夫と宝塚出身の園井恵子。その舞台稽古の風景がじつにリアルで楽しい。そこに天皇の密使の経歴を持つ海軍大将や特高刑事も行きがかり上芝居をすることになり……。戦時下の厳しい言論弾圧の中、それぞれ複雑な立場で芝居とかかわっていくが、人間はみな同じという温かい思いにさせてくれる。最初と終わりが巣鴨プリズンの場面。出演している俳優さんたちのことはよく知らないが、海軍大将役の存在はわさびが利いていたし、ホテルの女主人役がいい味を出していた。拍手喝采。前の席に井上麻矢さんと高円宮久子さんが。(紀伊國屋サザンシアターで。724日まで)。

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2016年7月10日 (日)

国立科学博物館に行ってきた

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私は初めて。オッちゃんは二度目だそうだけど、ひょんなことから見学することになった。朝の会でビヤジーさんの「奇跡の水の惑星」地球の話を聞いたせいかもしれない。そしてなんとビヤジーさんの解説付きという贅沢。まずシアター360の迫力がすごかった。地球の部屋の内側全部がスクリーンで、真ん中のブリッジに立って見ていると映像の中に入っていく感じ。浮遊感がすごい。7月は恐竜の世界と人類の旅。地球館だけでも地上3階、地下3階あって、とてもとても一日では見切れない。日本館はパスした。中学生のグループはいたけれど、静かでゆったりしていて、涼しくて、真夏に楽しむ場所としては最高。良い選択だった。ビヤジーさんは何度もいらしてるというのでお気の毒ではありましたが。

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2016年7月 5日 (火)

映画「放浪の画家ピロスマニ」を観る

Img006 絵をみているような美しいシーンの連続で、最後までうっとりと眺めた。この映画は19世紀後半のグルジア(現・ジョージア。トルコの北、黒海の東岸に面した国)の画家ピロスマニ(1862-1918)の半生を描いたもの。ギオルギ・シェンゲラヤ監督が1969年に制作、日本では1978年に劇場公開され(私は知らなかった)、今回はデジタルリマスター・グルジア語オリジナル版として、37年ぶりに日本再上映となったのだそう。

ストーリーはともかく、しっとりした風合いとノスタルジックな画面が強烈な印象として残ります。なかでも味のある木造りの建物や居酒屋の佇まい、伝統的な身なり、人々の暮らしぶりがなんともいい。どこの居酒屋の壁面にもピロスマニの絵が飾ってある。店の看板も描いた。

動物を好んで描き、キリンや牛の澄んだ目がじっとこちらを見据える。そして庶民の日常を様々に描いた絵はアンリ・ルソーのような素朴な味わい。ピロスマニは国民的画家として人々に愛されながらも、自身は生き方が下手だったために孤高の生涯を終えてしまう。

映画の宣伝チラシに「私の絵はグルジアには必要ない。なぜならピロスマニがいるから」というピカソの言葉が載っていた。いい映画でした。ポレポレ東中野で。

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