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2016年5月24日 (火)

吉野俊彦著『永井荷風と河上肇 』を読む

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初めて読む本と思っていたが、読み始めたら随所に読んだ記憶があって困惑した。Ciさんからお借りしたのだが、困ったものである。今後もこういうことがありそう。

さて、この同じ著者の『永井荷風の経済学』は読んだ記憶がはっきりあって、読書記録もある。著者はその『永井荷風の経済学』を執筆しているときに、荷風の日記『断腸亭日乗』と似た記述が河上肇の日記にもあることに気付き、類似点を探し出したのがこの本の生まれるきっかけとなった。

本の帯に「四角四面のマルクス経済学者と女三昧の無頼の作家」とあるように、まるで共通点などなさそうなふたりだが、著者は、荷風と河上肇が同じ年の生まれ(1879年)であること、フランスに滞在、ドヴィッシーの音楽に出合う、大学教授に、全集がベストセラーに、反軍国主義者、戦時下の生活物資不足とインフレ進展の詳細な日記をつけた、森鴎外を尊敬、などつぎつぎと類似点を挙げていく。内容の三分の二は河上肇にウェートをおいた印象。河上肇という私には到底縁のない人のことを知ることができたし、同時代を生きた二人を対比させることで、その時代をより重層的に捉えることができて面白く読んだ。(2001 NHK出版) 

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