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2016年3月28日 (月)

ナンニ・モレッティの「母よ!」を観る

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渋谷の人混みに圧倒されて、おそらく映画館も混んでいるかも、と行ってみたら、土曜日の午後なのに場内は10人いるかいないか。驚きました。

親の終末期をどう迎え、支えるか。自分の生き方は…。主役の女性映画監督を演じるのはマルゲリータ・ブイ。ナンニ・モレッティはその兄の役どころ。母の介護で仕事や生活を変えざるを得なくなったふたり。兄は仕事をやめ、妹は恋人と別れる。高齢社会が抱える問題は身につまされる。冷静沈着な兄。一方撮影現場と病院を行き来するマルゲリータは仕事や母と娘の間でも齟齬が生じ、自分自身に苛立つ。モレッティはこの主人公に自分のメッセージを色濃く反映させているようだ。

画面は現実から過去へ、夢のなかへ、と移って戸惑うが、それは彼女の心の中に折々に浮かび上がる思いだということが、しだいに観る者にも伝わってくる。ハリウッドからやってきたジョン・タトゥーロ演じる俳優役が異質な波長を醸し出して、そこがいかにもナンニ・モレッティ的で、暗い内容になりがちなところにユーモアとメリハリをつくっている。

ラテン語の教師をしていた母親が病床のベッドで子や孫を静かに見守る優しさがすばらしい。母の死後、教え子が「あなたのお母さんは私たちにとってもお母さんだった」と語る場面には思わず涙した。とにかくマルゲリータ・ブイの演技が抜群。(ル・シネマで)

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» 映画『母よ、』を観た。 [六日の菖蒲]
タイトル以外、本作に関しては何の予備知識も持たずに映画館に飛び込んだ。 イタリアのナンニ・モレッティ監督は、常に母国の政治を批判してきた。とりわけ長く続いたベルルスコーニ政権とは不倶戴天の中であり、その政権批判は舌鋒鋭く、時には小気味の良さを伴うものだ…... [続きを読む]

受信: 2016年4月12日 (火) 10時58分

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