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2015年10月27日 (火)

直島・豊島アートの旅 4

今回の旅のいちばんの目的は豊島(てしま)美術館だった。そして大竹伸朗の作品、直島銭湯「I♡湯」に入れたら文句なし、としていた。小高い丘のそのカーブに沿って造られた西沢立衛設計の豊島美術館は曲線のみ。柱など一切ない。美術館そのものが内藤礼の「母型」というひとつの作品。上部は大小の円い穴が開けられ、移りゆく雲がのぞく。風がそよぐ。下を見ると、あちこちの小さな穴から水滴が湧きでて、まるでオタマジャクシか精子のように流れ泳ぎ、一か所にたまって小さな泉ができ、一日が終わる。

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現代美術というと、度肝を抜かれるようなインパクトの強い作品が多いが、ここは自然と同化して呼吸する安らぎの場。思索・瞑想の場。大の字になって寝っ転がっている女性がいた。いい時間、それぞれの時間が流れる。ぼんやりしていると、いつの間にか例の3人組もいた。(母型については9月に「映画『あえかなる部屋 内藤礼と光たち』を観る」でも紹介した。)

ここに来る前に海岸沿いにある心臓音アーカイブに寄った。クリスチャン・ボルタンスキーが制作した心臓音の鼓動に合わせて電球が明滅するインスタレーション空間。世界の約4万人以上の心臓音が登録されていて、その鼓動がドンドンとひびく。光の点滅、大音響の振動は心臓に悪い。長居はできない。海岸に出て素足になって、やっとホッとした。海を見ながらハルさんが家浦港で買ったイチジクを食べた。

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この島には2013年に横尾忠則の美術館も誕生した。全体に毒々しい赤のイメージ。生と死と。永山祐子設計の円塔の建物内部はちょっと見もの。近くにオリーブ畑があった。家浦港からフェリーで直島に戻る。

大竹伸朗の銭湯「I♡湯」、2回目。前日せっけん入れを忘れた、と番台で告げると、すぐさま出してくれた。日本はすばらしい。男湯と女湯の境の上に大きな象がいるが、外観の派手派手しさに比べれば、浴室は意外にすっきりしている。湯船の底に春画があったりはするが。外人さんにも人気らしい。そのひとり、東欧風の若い女性が水着のような色物上下を身につけて浴室に入ってきた。みんな素裸なのにそうしないところがスゴイ。しばらくして番台の女性が注意しに来たが、慌てることなく恥じることなく身を洗い、出て行った。湯船には浸からなかったのかもしれない。ハルさん曰く、新しい上下に着替えていったよと。あの堂々とした態度、日本人は到底真似できませんね。

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とにかく外国人の観光客が多いのに驚いた。7~8割の印象。町の人たちも慣れていて、地元バスの運転手も、居酒屋のお兄ちゃんも片言英語で立派に対応している。東京の外れよりは、この町のほうがよほど国際化が進んでいる。2010年に開かれた瀬戸内国際芸術祭が成功裏に終わり、2013年、そして来年2016年と、トリエンナーレとして開かれる。直島を中心とした瀬戸内の島々はアートの島としてその存在を確かなものにしている。アートの旅おわり。

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