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2015年8月 9日 (日)

映画「ルンタ」を観る

インド北部の町ダラムサラ。ここには中国の支配下のチベットから亡命したダライ・ラマが1959年から住む。建築家の中原一博さんもこの町に30年間住み続け、故郷を失ったチベット人を支援しているという。チベットでは中国の圧政に対して抵抗を示す「焼身抗議」が後を絶たないが、中原さんはその実態をブログで発信し続けている。焼身抗議をした人の数が今年の3月時点で141名。若い人が多い。かれらの11人がどんな思いを抱いてこの世を去ったのか。中原さんはチベットに赴き、その現場を確かめ、周りの人に話を聞いて歩く。十代半ばの女性のエピソードはあまりにも悲しいが「決心の力」に導かれていることを知る。かれらへの想いを語るとき、中原さんは何度も声を詰まらせた。

 

「ルンタ」とはチベット語で風の馬を意味するという。経文が印刷された紙を天に向かって撒く。風になびく旗にも経文が印刷されている。風の馬が人々の願いを仏や神のもとに届けると信じられているという。チベット人の篤い信仰心、慈悲と利他の心が伝わってくる。映画に登場するかれらはみな凛々しく、いい顔をしているのに驚く。

監督は「先祖になる」を撮った池谷薫氏。この監督の資質なのだろう、とても重いテーマなのに人間の尊厳、優しさというものが滲み出ていて、こころ洗われるドキュメンタリーフィルムだった。(シアター・イメージフォーラムで)Img004_447x640


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