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2015年5月 4日 (月)

2015年荷風忌

430日、三ノ輪の浄閑寺へ。法要のあと若いおふたりの講演があった。高野麻衣氏の「荷風、ふらんす音楽の夢」と多田蔵人氏の「永井荷風の読書」。正直なところ高野氏の話は期待していなかったのだが、じっさいは荷風の読書の話よりも私には興味深いものだった。

 

荷風は1900年代初頭にアメリカ、フランスに滞在、ニューヨークでは毎晩のようにメトロポリタン・オペラに通い、西洋の近代音楽を日本にいち早く紹介した人だが、荷風がその頃に聴いたと思われる音楽を聞きながらのお話がよかった。ラ・ジョコンダの間奏曲、タンフォイザー、愛の妙薬……時代を一気に超えていま荷風と同じ音楽を共有しているという想い。音楽の力はすごいです。

 

一方、荷風の読書とはどんなものだったか、能動的読書だったとして多田氏はいくつかの本文例や図資料を提供して下さったが、そりゃそうだよねという感じで、ややインパクトに欠けた。氏は現在のお住まい鹿児島から空輸便でたくさんの貴重な関連書を持参され、会場の座席右端から、あるいは左端からと惜しげなく回覧された。その古書コレクションはなかなかのもので、研究者はたいへんなものだなぁと。ちょうど真ん中に座った私は講演が終わるまでのあいだに、残念ながら一冊も手にすることはできなかった。

新鋭のおふたりがそれぞれ今回のテーマを軸にさらに研鑚を積まれ、新しい荷風をみせてくださることを期待したい。

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