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2015年4月

2015年4月22日 (水)

佐々木博康さんのマイム

日本のマイム第一人者、佐々木博康さんが主宰する日本マイム研究所は田園都市線駒沢大学駅から近いところにあった。朗読とマイムのコラボによるアトリエ公演。2月に佐々木さんのお話と演技を朝飯会で拝見していたので、楽しみに出かけた。

朗読は池田郁子さんが太宰治の「リイズ」、斎藤由織さんが芥川龍之介の「地獄変」を。マイムは辻邦生の「紫陽花」、ガルシア・ロルカの「血の婚礼」を下敷きに。そして最後はガルシア・ロルカの詩「闘牛士メヒアスの負傷と死」を朗読とマイムで。これが圧巻でした。あとで伺ったところによると、この動きはほぼ即興に近いものとか。

朗読は言葉を聞いて想像の世界が広がり、マイムは逆に言葉のない肉体表現によって心の内面へと入って行く。わたしたちは言葉に頼り過ぎて生きているけれど、言葉では表現できないプリミティブな感性といったものをもう一度手に入れたいものと思いました。

 

マイム歴54年の佐々木氏さんはご自身を後期高齢者の新人とおっしゃったが、鍛え上げた肉体の美しさとその動きに見惚れました。マイムはたいてい囲われた舞台スペースで演じられるが、いつの日か宇宙とつながる大自然の中で演じて見たいとも。日出日没の海辺など素敵かもしれません。人間はちっぽけだけど、自然の一部として溶け込めれば最高かも。30人ほどの観客のほとんどが女性でした。

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気になる言葉「真逆」

真逆(まぎゃく)という言葉、最近当たり前のように使われている。正反対の意味。数年前に初めて耳にした時、えっ、こういう言葉は有りかしら、と不審に思い、広辞苑を引いたけど、辞書にはなかった。最近になってネットで調べたら、「2002年~2003年頃から使われ始め、2004年には流行語大賞にノミネートされた。もともとは映画業界用語」とあった。まったく記憶にないけど、もう10年も前に誕生している造語なのですね。好むと好まざるとに関わらず、「真逆」はストレートで、適切な表現として生き残ったのでしょう。私は使いませんが。因みに新明解国語辞典の第7(2012)に採用されています。言葉は生きもの、とつくづく思います。

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2015年4月21日 (火)

大絵馬寺宝展と庭園拝観 そして木馬亭へ

ヨシさんのお誘いで江戸楽会に特別参加させていただき、浅草寺の大絵馬寺宝展と伝法院の庭を観る機会を得ました。浅草寺は古くから観音信仰の証しの一つとして絵馬が掲げられるようになり、江戸時代に絵馬堂が建立されたとのこと。 徳川二代将軍秀忠や三代家光が寄進した金蒔絵仕立ての双神馬の絵馬をはじめ、歌川国輝の「陣幕土俵入り」や鈴木其一、菊池容斎、鳥居清忠らの作品が奉納されてあり、お宝がいっぱい。驚きました。知りませんでした。

伝法院の庭は回遊式で小堀遠州の築庭といわれています。以前伝法院で会合があった時はちょうど庭の修復工事に入っていて池には水もなく風情がなかったけど、今回は若葉に五重塔が映え外の賑わいがウソのような閑な異空間を満喫できました。公開は5月7日まで。おススメです。

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このあと木馬亭で「浅草21世紀」を観劇。まずケンコウ奉仕さんの漫談で健康情報を笑いとともに仕入れて笑いの準備体操。歌ありコントあり。第2幕の芝居では笑いに笑って、涙がでるほど。笑うってホントいいですね。 浅草21世紀の芝居は3度目でしたが、マンネリ感なく面白く、メンバーそれぞれの個性が実によく出ていて感心します。

江戸楽会のメンバーは好奇心旺盛なおじさんたちばかり。世の中、おばさんパワーに押され気味のなかで頑張っていらっしゃる。三次会は神谷バーで電気ブランだったとか。

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2015年4月17日 (金)

千野帽子『俳句いきなり入門』を読む

俳句に関する本をいくつか読んだなかで、この千野帽子さんの本が今の私にはいちばん面白く、なるほどと参考になった。いわゆる俳人ではない。前にもチラッと書いたが、この人の論「自分を表現したい人に俳句は向かない」をもう少し書くと、

「俳句は自分の言いたいことを言うものじゃない。このことを分っていないといくら技術論をやってもムダ」

「あなたの俳句の最大の敵はあなたの〈言いたいこと〉」

「俳句のルーツは連句というゲームだった。全部を言わず、相手に意味、解釈をゆだねる。残りの部分を作りたくなる俳句がいい俳句」。

 

「俳句は引き算で作る=主語・動詞・場所・感情・時間・理屈を省く」と結局のところは同じだと思う。モヤモヤしていた句づくりのコツを教えてもらったようで、スッキリした。Cimg1848_800x564


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こまつ座「小林一茶」を観る

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井上ひさしの小林一茶の評伝戯曲。詳しい中身は知らなかったが、「容疑者、その男の名は小林一茶」という意表をつくプロットに驚き、それがいかにも井上ひさしらしい人物の捉え方で納得した次第。相変わらず歌と踊りも有り、そしてもちろん俳句も次々と発せられて。あれ、これは一茶の句だったっけ、などと考えているうちに、丁々発止の言葉に追いつけないスピード感も小気味よい。

一茶を演じた和田正人さんはいまが旬の俳優さんらしいけれど、私にはどうも馴染めなかった。他の俳優さんたちが役に抵抗なく納まっているのに比べて、風体に違和感があり過ぎた。そこが狙い目の一茶像なのか。鵜山仁の新演出による10年ぶりの上演だそう。紀伊国屋ホールで。

 

上演前、どこで食事をするか迷ったが、割烹中嶋のいわしランチにした。すでに20人近く階段下から上の道路まで並んでいたが、30分ほど待って、美味しくいただいてきた

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2015年4月12日 (日)

ハルノ宵子著『それでも猫は出かけていく』を読む

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飼い猫はもちろん自宅周辺の猫の面倒を全部引き受けてしまうこの人こそ正真正銘の猫おばさん、ガッターラでしょう。野良猫、捨て猫、迷い猫、病気猫、事故猫、つぎつぎと問題が生じても、つぎつぎとこれが自分の仕事と言わんばかりに処理していく。地域の野良猫が増えないように、取り敢えず雌猫を捕まえては獣医さんに連れていき不妊手術を施す。深夜自転車でエサ配りをする。その中古自転車の音を猫たちは覚えている。大小垂れ流しの要介護猫に注ぐ愛情。医学知識も獣医さん並に詳しい。昵懇の獣医さんも心得ていて、憎まれ口を叩きながらも猫たちをこよなく愛し、温かい。

ハルノ宵子さんは漫画家でエッセイスト。プロフィールに「父は思想家・詩人の吉本隆明、妹は作家のよしもとばなな」と書かれるのは仕方ないだろう。軽妙な文章と表情たっぷりの猫絵がすばらしい。働いてもそのお金は全部猫のためのよう。2012年に介護していた父、つづいて母を見送り、自身も乳がんという境遇に会いながらも、猫との暮らしを大切にしてきた。

猫好きの私でさえ、なぜに、ここまでと思ってしまう猫への愛情満載の本です。

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2015年4月11日 (土)

小林清親展を観る

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楽しみにしていた展覧会。小林清親没後
100年記念、練馬区立美術館開館30周年記念。清親は江戸から明治へ文明開化で変貌を遂げる東京の新風景を従来の浮世絵とは異なる画期的手法で表現した。「光線画」と呼ぶらしいが、夜の光の表現がすごい。そして線から面へ、「水彩画をそのまま木版画にした」と荷風が言ったように、雪や桜が面でいきいきと表現されていて、とても木版画とは思えない。

 

同じ作品の一部刷り色を違えた作品を何点か並べていたが、印象がずいぶん変わって面白かった。「猫と提灯」は刷りの過程をいくつか見せていたが、なんと全行程35刷りというから驚く。こだわった人なのですね。

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練馬区立美術館には久しぶりに行ったが、手前の広場が「幻想美術動物園」とやらに生まれ変わっていた。いろんな動物の彫刻が点在していた。子どもたちが楽しそう。展覧会は517日まで。

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2015年4月 8日 (水)

小川千甕展を観る

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智美術館から近いところに泉屋博古館分館があるのでここにも寄ることにした。文人画風の味わいのある小川千甕(せんよう)(1882-1972)の作品は知っていたが、これだけまとめて観るのは初めて。初めての回顧展だそう。観ていて楽しくなる。人物が動き出しておしゃべりが聞こえてきそうな。仏画、洋画、日本画、漫画など絵画ジャンルの枠にとらわれない自由な表現はたしかに縦横無尽に生きた人ですね。おおらかな気分になりました。5月10日まで。

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「遠くて近い井上有一展」を観る

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この人の名前は知っていたけれど、詳しいことは知らない。何かで「貧」という字を観て、すごいと思っていただけ。

チラシにある「必死三昧」の書はその解説によると、「三昧は辞書をみると、雑念を去って精神を集中すること、とある。念仏三昧、読書三昧などの熟語があるが、必死三昧と言ったのは有一だけだ。死に精神を集中するとは矛盾の感がある。」と。

宮澤賢治の詩の木炭書もおもしろかった。会場で映像を観たが、書そのものの人だった。同行のハルさんが焼き物作品の一輪挿し「一匹狼」がいいねと。それも書と同じ、ごつごつして強いけど、心根のやさしい作品だった。菊池寛実記念 智美術館で726日まで。

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猫俳句

猫友のYさんから小林一茶の猫句一覧のコピーをいただいた。いやぁ、驚きました。数え方に間違いがなければ334句。そのなかからいくつか。

 

あまり鳴て石になるなよ猫の恋

 

陽炎に何やら猫の寝言哉

 

嗅で見てよしにする也猫の恋

 

不性猫きゝ耳立て又眠る

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46日の毎日新聞にも猫俳句の話がでていた(津川絵理子 俳人)。そのなかから3句。

 

くすぐつたいぞ円空仏に子猫の手 加藤楸邨

 

満月やたたかふ猫はのびあがり 加藤楸邨

むつかしき顔してゐると子猫来る 永瀬十悟

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