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2014年10月28日 (火)

ひさし語録

折々に読んだ井上ひさしの本、関連の本から気に入った言葉を抜き出して「ひさし語録」というファイルを作りパソコンに収蔵していた。ある時もうひとつ似たようなファイルがあることに気づき、ひとつに纏めようとしたのがいけなかった。二つを合体させたファイルがなんらかの理由で開けなくなってしまったのだ。ネットで検索して修復を試みたのだけれどダメ。私にとっては言葉のお宝なので、悔しくて、いつか開けるだろうとそのままにしてある。

 

ところで井上ひさしは「本は手が記憶する」という。手で書く書き抜き帳は原始的だが、究極の整理法であると。手で書くことを復活せねば。

 

先日、小田島雄志の『井上ひさしの劇ことば』を読んだ。そのなかに井上ひさしらしいせりふ。戯曲への思いがあった。「例えば公害ハンターイを舞台で訴えるだけなら、しろうとの演説会と同じことで、芝居の入場料をとるのは詐欺みたいなものだ。むろんぼくだって、公害も原爆も戦争もハンターイだけど、少なくともお金をとってみてもらうからには、お客の腹の皮がよじれるほど笑い転げるうちにめいめいが行動にたちあがる作品でなければ」。人を動かす言葉の力。言葉と死にもの狂いで戦ってきた人の思いが言いつくされていると思う。

 

ついでにもう一冊。こまつ座編の『井上ひさし「せりふ」集』から気に入ったせりふをいくつか。

 

世の中にモノを書くひとはたくさんいますね。

でも、そのたいていが、

手の先か、体のどこか一部分で描いている。

体だけはちゃんと大事にしまっておいて、

頭だけちょっと突っ込んで書く。

それではいけない。

体ぜんたいでぶつかっていかなきゃねえ。(組曲虐殺)

 

近々死ぬと分れば、

こんなにやさしくなれるのに。

不思議だもな、人間て……。(泣き虫なまいき石川啄木)

 

新しいもの、うつくしいもの、

すばらしいもの、

あらゆるものがゴミになる。

それが世界のありのままのすがた。

ただし、

だだひとつの例外は、時間じゃ。(決定版十一ぴきのネコ)

 

絶望するには、

いい人が多すぎる。

希望を持つには、

悪いやつが多すぎる。(組曲虐殺)

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