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2014年9月 8日 (月)

宮城まり子著『淳之介さんのこと』を読む

図書館で目にとまり借りてきた。吉行淳之介は仕事上の大先輩が贔屓にしていた作家で、私もその影響を受け、ほぼ全作品を揃えている唯一の作家である。だがあるときから関心が薄れ読まなくなって久しいのだが、最近荷風関連で『娼婦の部屋』を読み返したところだ。そんなこともあってこの本も目に入ったのかもしれない。

 

著者の宮城まり子は妻ある吉行と大恋愛をして一緒に暮し、吉行を看取った人。ねむの木学園の隣に吉行淳之介文学館まで作った。文学少女という表現は適切でないかもしれないが、彼女の瑞々しい文学性も含めた感性に吉行は惚れたのだと思う。本書は軽妙な表現でさすが読ませる。上手い。ただ、「まりちゃん」「淳ちゃん」と呼び合い、へぇー彼はこんな生活をしていたんだという興味はあっても、吉行さんがこれを読んだら果たしてどう思うだろうという考えがまず頭をかすめた。「まいったねー」か。

淳之介については、愛人的存在だった大塚英子が『「暗室」のなかで』を書き、妻の吉行文枝も沈黙を破って『淳之介の背中』を書いた。二冊ともずいぶん前に読んだが。ふーん、こういう回想記は出版社か誰かにそそのかされて書かされるのかもしれないが、そして作家研究には役立つのかもしれないが、やっぱり書かないほうがよいというのが私の個人的意見です。

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