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2014年3月

2014年3月25日 (火)

安岡章太郎著『私の濹東綺譚』を読む

高橋昌夫氏の文庫解説によると、これは1997年から1年余、新潮社のホームページ「Web新潮」に連載されたものという。そのせいか、一回ごとの内容がコンパクトで、写真や挿絵などもふんだんに添えてある。文字も大きく読みやすい。著者は二十歳のときに初めて荷風の『濹東綺譚』を手にしたことなど、自身の体験に引き寄せて語っている。荷風の女性についての見解などにいくつか首肯できないところもあるが、肝腎要の大きな括りのなかで作品や荷風の人となりを捉えているところはさすが作家ならではのセンス、妙味があっておもしろい。 著者は『濹東綺譚』についてこう書く。「墨田川東岸場末の紅燈街玉の井を背景に、“わたくし”大江匡と娼婦お雪との行きずりの恋情が、夏から秋にかけての気候の移り変わりとともに、まるでひとりでに火が灯り、またそれが果敢なく自然に燃え尽きて終わるさまを描いたものである。 ストーリーは平凡だし、叙述も格別際立ったものであるようにも感じられない。それでいて読み終わると、極めて上質のコンソメ・スープを口にしたような、こくのある味わいを覚えるのである。つまり、このスープには、それだけの元手がかかっており、贅沢な材料をふんだんに惜しみなく使い、さらに手間ひまも十二分にかけて作られたものなのだが、一般読者には到底そこまで読み取れまい。私自身、学生時代に初めてこれを読んだときにはそうだった。……」。 そうです、『濹東綺譚』は年を重ね、読むたびに新しい発見があり、それが喜びでもあります。

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2014年3月17日 (月)

熊谷守一美術館で

1395025642510 一度訪ねたいと思っていた美術館だ。ここの3階ギャラリーで朝飯会のメンバー、楜沢成明さんが個展「雲と輝き」を開いた。楜沢さんの本業は建築家。ネパールで仕事をしていて、その話もたくさんのスライドを拝見しながら伺うことができた。独特のフォルムで画面に動きをつくる楜沢さんの雲。神々しい自然。その中に溶け込めたらどんなに素敵でしょう。

もちろん下の階で熊谷守一の白い猫にもちゃんと会ってきましたよ。Img003_800x543_2

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野見山暁治展「いつかは会える」

むかし絵を描いていたことがあり、また最近絵に情熱を傾けはじめた友がいる。野見山暁治の絵にぞっこん惚れているその友は、私がかつて雑誌で野見山さんをインタビューしたことがあると知って、しきりに羨ましがった。その友とニューオータニ美術館の野見山暁治展「いつかは会える」を観た。ステンドグラス作品(明治神宮前駅、JR博多駅、福岡空港国際線ターミナル)の原画をおもに展示したもの。生気ほとばしる作品。やっぱりいい。ますますいい。今年94歳。そしてそれぞれのタイトルがにくい。「いつかは会える」に始まって、「これだけの一日」「誰にも言うな」「やっぱり想い出さない」「こんなに遠く」「別れたきり」「まぎらわしい場所」「気休めの景色」etc. 物語が生まれる。「この東洋的な絵はヨーロッパで理解されるだろうか」と友が言った。Img001_800x372_2

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春を待つ公園

強い日差しがまぶしいほど。春です。カワズサクラが開き始めました。お弁当を作って、お花見に来ようっと。1395025765133_800x538_3 1395025875745_2

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2014年3月 4日 (火)

エルメスの馬

雛祭りの夜、銀座は不思議なほど静かでした。いつもワイワイ賑わっているバールはお客がひとりもいない。めずらしいですね、とお店の人に尋ねると、土日は多かったんですけどね、と。ごちそうになった懐石料理のお店もほかに客はふた組だけ。こんな日もあるのですね。

帰り際、エルメスのウィンドウが素敵だったのでパチリ。もともと馬具のお店だけに、午年にぴったり。ウィンドウのなかはどこも華やかでした。1393890447345_709x1024

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