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2014年2月18日 (火)

赤瀬雅子著『永井荷風とフランス文学』を読む

比較文学が専門の人の荷風研究。荷風修業時代のエミール・ゾラの影響からモーパッサンへ。そしてピエール・ロティ、アンリ・ド・レニエの影響まで8つの論文が収録されている。学者さんの論文には未知のこと、参考になることがもちろんたくさんあるのだけれど、総じて私にはつまらない。結論を導くためか、こじつけすぎではと思うことも多い。その点、先日読んだ丸谷才一の一文は俄然面白い。たとえば丸谷は荷風の作品を「随筆体小説」と名付けた人だが、荷風をそのスタイルへと導いたのが、ローデンバックではないかと。「ローデンバックがおこなった、地誌を小説に応用する方法は荷風の『すみだ川』から『濹東綺譚』へと至る展開に寄り添ふもので、(中略)わが随筆小説の出自はおほよそこのあたりにあった。おそらく荷風は彼の随筆体小説の筆法をローデンバックの刺戟によって身につけ、そしてこれを鴎外の言によってよしとしたのではないか」と推論する。なるほど、たしかに、と思ってしまうのです。

 

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