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2014年2月 1日 (土)

末延芳晴著『荷風のあめりか』を読む

永井荷風は1903年、24歳の時に渡米。28歳の時にフランスに渡り、翌年ロンドン経由で帰国した。父の意向でアメリカで実業を身につけさせる予定だったが、荷風の性に合わず、もっぱら音楽と文学、そして娼婦との世界に浸る暮しだった。そして「愛、言語(日本語)の二者択一」を迫られたとき、荷風は2人の女性、娼婦との性愛、乙女との純愛を捨て、「余の胸中には最早や芸術の功名心以外何物もあらず」(『西遊日誌抄』)と、書くことを選んだ。

アメリカに関心のない私は、アメリカに結びつけて論じる荷風にやや退屈し、なかなか読み進めなかったのだが、半ば過ぎから面白さが加速した。

著者の末延氏は1973年に渡米し、2000年までニューヨークに在住した人だけに、さすがアメリカに詳しい。氏の筆法によって、荷風20代半ばに異文化のアメリカで過ごしたことが、後々に大きな影響力を遺したことを認めざるを得ないし、「「性愛」と「非戦」、「孤独」、「都市・風俗観察」「文明・権力批評」などの独自の文学的表現世界を切り開いて」、それが生涯の根源的テーマとなったのはたしかだろう。

 

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