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2013年12月11日 (水)

松本 哉著『女たちの荷風』を読む

この人の荷風本は『永井荷風という生き方』『永井荷風ひとり暮し』を読んでいる。編集者から文筆業に転じた人だが、残念ながら2006年に亡くなった。

荷風の女性関係についてはあらかた知っているつもりだが、こうして『女たちの荷風』としてまとめてもらうと、あらためて荷風さん、ようやりますね、とその艶福ぶりにため息がでる。女好きの荷風は見栄えがしたし(写真で見るかぎり、私はそうは思わないけど)、女性への当たりが柔らかく、お金があったので、何しろ女にもてた。でも気難しい自由人で浮気性だから、女との関係は長くは続かない。めまぐるしく相手が変わった。その刺激が創作のエネルギーになったのは確かだろう。今と違って昔の還暦はそれこそ老翁。その老翁が二十歳そこそこの女たちと馴染んだのだから男冥利に尽きるというもの。映画「濹東綺譚」を撮った新藤兼人は「荷風は生涯を性のために生きた。性の泉をくみあげて小説を書いた。荷風にとって文学と性は同衾していた。だから老いれば荷風の性は薄れ文学もまた薄れ性を失えば文学も亡んだ」と書いた。性をテーマにした監督だから、そう受けとめるのは当然。だが荷風文学の真髄はもっと別のところにあるように私は思う。まだまだ漠としているのだが。

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