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2013年6月24日 (月)

高橋英夫著『文人荷風抄』を読む

岩波の「図書」に連載されていたものだが、新刊本で改めて読んだ。たくさんの荷風論があるが、著者が着目したのは次の3点。1は曝書家としての荷風。2はフランス語の弟子? 阿部雪子について。3は晩年に交遊のあった相磯凌霜について。日乗から文人荷風を引き出し、著者流の推測と想像を織り込んで展開している。とくに2の阿部雪子という女性についてはこれだけ詳細に書かれたのは初めてのこと。推測の域を出ない感があるにしても、荷風晩年にこういう女性の存在があったことは、なにか救われる思いがある。

因みに、岩波最新版の『荷風全集』月報十二の森清によれば「荷風が阿部雪子と暮していたならばもっと長命で作品もいくつか遺せたであろう」と述べ、「最晩年にひとり死を自覚した荷風が意識して阿部を遠ざけたのではないか」と推測している。ちょっと美化しすぎ?

荷風さんについて、いろんな方が書いてくださるなかで、私が抵抗なく、納得して読めるのは、いまのところ野口冨士男の『わが荷風』です。

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