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2013年4月29日 (月)

中野京子著『怖い絵』シリーズを読む

いやぁー、知りませんでした。こんな面白い本があること。図書館で同氏の『名画の謎 旧約・新約聖書篇』を何気なく読み始めたらへぇーの連続。西洋の宗教画、歴史画は分らないと敬遠していたけれど、彼女の小気味よい文章でぐいぐいと導かれると、聖書をまともに読んでみたくなるし、西洋史を紐解いてみたくなります。同氏の専門はドイツ文学、西洋文化史。その裏付けがあるにしても絵を読み解く深さはどこからくるのでしょう。やわな美術評論家など到底かなわない感じ。

すっかりハマってしまって『怖い絵』シリーズを3冊。そしていま『「怖い絵」で人間を読む』を読み始めたところです。この本の冒頭で著者は「19世紀以前の絵は「見て感じる」より「読む」のが先だと思われる。一枚の絵には、その時代特有の常識や文化、長い歴史が絡み、注文主の思惑や画家の計算、さらに意図的に隠されたシンボルに満ち満ちています。現代の眼や感性だけではどうにもならない部分が多すぎるのです。」と。たしかですね。いま私たちは写真を見ると、そこに写っている人物や背景、モノから判断して思いを巡らすけれど、昔は絵がいまの写真の役割をしていたわけだし。知識なしで見ることのもったいなさを大いに感じさせられました。これからルーブルやプラド美術館に行くとなるとたいへんです。これまでさっと通り過ぎていた絵が俄然気になって、時間がいくらあっても足りない感じで。気づきませんでしたが、彼女は月刊「文藝春秋」にも現在「名画が語る西洋史」を連載しているのでした。

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