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2011年1月28日 (金)

相磯凌霜著『荷風余話』を読む

永井荷風と実際にお付き合いのあった人の話だから、荷風の素顔を知るうえですこぶる面白い。荷風の晩年の偏屈な暮らしぶりから人嫌いでケチな変人奇人との印象があるが、著者の相磯凌霜(あいそ・りょうそう)氏は「人嫌いと謗り、吝嗇と罵った人間達の生活態度より百歩も二百歩も先んじて正しい生活をつづけられた80年の生涯」だったと荷風を書く。相磯氏は文学者でもその関係者でもない。商事会社のサラリーマンだった頃、金物問屋の旦那衆らとの商売上の付き合いから清元を習うことになり、その稽古先で同じ弟子として来ていた荷風と知り合う。その後、戦中になって軍部の圧力が強くなり、出版物の発禁問題などで荷風のもとに人が寄り付かなくなっても、著者は足しげく出入りして厚い信頼を得るようになる。そして荷風は死ぬ4日前に、自分に万一のことがあったらここに電話するように、と相磯氏の会社の電話番号のメモを側近に渡したという。まあ、恣意的な解釈が無きにしも非ずの部分があるにしても、ほかの荷風研究書にはない荷風の知られざるエピソードがふんだんにあって興味が尽きない。ちなみに熱烈な荷風ファンのほとんどは男性というのはなぜでしょうね?

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